DRSSTCの部屋
ニコラ・テスラが発明した、高電圧・高周波発生装置です。
その基本原理はテレビのバックライト(最近はLED化が進んで使われてないけど)に使われる冷陰極管用昇圧回路などに応用されています。
通販で販売されているものは小型ですが、一部の電子工作マニアの間では全高が1mを超えるような大型のものも自作されています。
このページでは、筆者とその後輩が、2021〜2022年(高校時代)に自作したDRSSTC(二重共振半導体式テスラコイル)を紹介します。
開発者の現在
筆者:個人事業としてレトロPC・電子工作関連製品を開発・販売中 x86ラボ https://x86lab.jp
後輩:化学・エレクトロニクス関連製品を販売中 モリハタ化学工業合同会社 https://morihata.jp




方式:二重共振半導体式(DRSS)
電源:コンセント、AC100V 15A(ピーク電流はもっと流れる(!?)
一次側:フルブリッジインバータ
一次側スイッチング素子:三菱電機製IGBTモジュール
一次側共振コンデンサ:フィルムコンデンサ
冷却:スポットエアコン+水冷
2021年9月9日 テスラコイル製作決定
当時私は福岡県内の某高校で科学部に所属していた。
文化祭展示用に何か作ろうということで、後輩の提案したテスラコイルが良さそうということになり、
テスラコイルを作ることになった。
この時はまだ、長い戦いが始まるとは考えてもいなかったのである。
9/11 製作開始
テスラコイルに関する情報を集めたり、使えそうな部品を探したり
9/20 本体の大まかな仕様決定
DRSSTC(Dual Resonant Solid State Tesla Coil = 二重共振半導体式テスラコイル)が大きな放電を起こせて、演奏もできるので、これを作ることにした。
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10/1 インタラプタの仕様決定
テスラコイルはノイズがヤバいとの事前調査から、ノイズに強い光信号による制御、演奏のためにMIDI入力を採用した。
10/3 インタラプタの設計、発注完了
先人のインタラプタをパクり参考にしながらKiCadで基板設計、発注
10/11 ほとんどの部品を調達完了
製作拠点の理科室に部品を運び込む絶対邪魔だっただろ
10/14 二次コイル製作開始、インタラプタのケース加工、筐体製作
即席の治具とドリルを使って、後輩と2人がかりで直径100mmの塩ビパイプに0.3mmのポリウレタン線を3,000周巻いた。
ウレタンニスで絶縁処理し、乾くまで理科室の机を1つ使えなくした(爆
あとはインタラプタのアルミケース穴あけ、テスラコイル本体の土台(12mmコンパネ)加工など



10月16日 二次コイル完成、2本目の二次コイル製作開始、インタラプタのハードウェア完成
ニスが乾いて二次コイルが一本完成した。
予備のためもう1本製作開始、インタラプタのハードウェアも完成




10/21 一次共振コンデンサバンク製作、フルブリッジ回路製作
一次側共振コンデンサには高電圧大電流が流れるので、オークションで落札した1,200V0.1uFの指月電機製フィルムコンデンサを7直列4並列にして使用した。
回路との接続は1.6mmの銅線3本と丸形圧着端子を使った。
フルブリッジ回路はオクで落としたCPUクーラーにのIGBTを4個固定、空中配線で還流ダイオードやゲート抵抗、ゲート用ツェナーダイオード、スナバコンデンサを取付け。






10/22 筐体組み立て完了
テスラコイルの形ができた。
回路は未完成

10/28 本体制御基板完成、試運転を行うもゲートドライバから発煙
原因わからず


11/7 IGBT故障、ACソレノイドを使って回路の正常動作を確認
回路が正常に動作しているのかわからなかったため、一次コイルの代わりにAC100Vで動作するソレノイドをつないで動作確認
結果、正常にソレノイドで演奏することができ、原因究明が泥沼化
11/16 IGBT故障、ヒューズ溶断
IGBTがショートモードで故障するとアーム短絡といって電源をショートさせてしまう。
それによってヒューズが巻き添えを食らうのだが、ヒューズを入れないわけにもいかず消耗品扱いに



11/17 IGBT故障、還流ダイオード故障
今度はIGBTだけでなく還流ダイオードもショートモード破壊
これがきっかけで還流ダイオード不要説(IGBTにダイオードが内蔵されているため)が生まれ、以後還流ダイオード無しで運用。

11/18 ゲート抵抗をセメント抵抗から炭素被膜抵抗へ変更(インダクタンス低減)
セメント抵抗は抵抗体をぐるぐる巻いて抵抗値を稼いでいるので、実質インダクタである。
高速大電流が流れるゲート抵抗に使うとインダクタンス成分が原因でスイッチングがうまくいかないのではないかと考え、インダクタンスの小さい炭素被膜抵抗へ変更。

11/19 度重なる試運転から、何らかの原因でゲートが誤ONしているという結論にいたる
内部回路にノイズ対策を施してモバイルバッテリーで動かせるように改造したオシロスコープで動作中のゲート波形を観測した結果、ONしてはならないタイミングでONしていたり、OFFしなければならないタイミングでONしていることが判明。
11/21 2代目制御基板設計開始
これまで見つかった問題点を克服し、原因究明しやすいようにユニバーサルエリアを設けた2代目制御基板を設計開始。

11/25 主電源とロジック電源の容量結合によりゲートが誤ONしていたことを発見、ロジック電源を絶縁電源に変更
これまでロジック電源にACアダプターを使っていたが、このACアダプター出力と主電源(AC100V)の間で容量結合が生じ、微弱な電流が流れ、誤作動を引き起こしていたことが判明
より絶縁性の高い安定化電源装置へ変更。
11/26 数ミリの放電に成功(ファーストライト)
トロイドに蛍光灯をくっつけて、かろうじて数ミリ放電するレベル。
弱すぎたので動画像無し。
少しずつ前進している実感を得る。
11/27 2代目制御基板設計完了・発注、一次コイル接続ケーブルを改良、パワーボード設計開始
2代目制御基板の設計が完了したので発注、ヒューズホルダーや丸形端子を使って一次コイルへの接続ケーブルを強化。
ケーブルも表皮効果を考慮して3芯ビニルキャブタイヤを使用
現在のパワー回路だと放熱・耐電流の面で問題があると考え、フルブリッジ回路やゲートドライブ回路を一体化したパワーボードの設計に着手。



11/29 パワーボード設計完了、発注
左側がゲートゲートドライブ回路、右側がフルブリッジ回路

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12/6 IGBT故障、ヒューズ溶断、改良型制御基板到着


12/14 改良型制御基板完成、改良型ゲートドライバ製作開始
2代目制御基板が完成。パワーボード設計・到着までの一時しのぎとしてゲートドライブ基板製作開始

12/17 改良型CT(一次電流センサ)製作
これまでのCTだと抵抗が焼けていたため、巻き数を減らした。

12/18 改良型ゲートドライバ完成
一時しのぎの改良型ゲートドライブ基板が完成

12/19 ロジックボード改良
ロジックボードの回路を改良した。
ユニバーサルエリアが役に立つ


12/22 バス電圧70Vで短時間のみ暴走状態で約15cm放電するも直後に故障、CT入力抵抗が高熱により黒く変色
短時間のため写真動画無し。5Wの酸化金属被膜抵抗が高熱で黒ずむ

12/26 CTのコネクタ接点が焼損
試験中にいきなり動作が停止したため、原因を探っているとCT接続コネクタの接触不良を発見。
コネクタを分解してみると接点が焼けていた。
なお、使用したコネクタは2.54mmピッチのピンヘッダ・ピンソケットであり、定格電流は3Aである。

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2022年1月2日 二代目インタラプタの部品発注
1/13 デッドタイム過大によりフィードバック信号(約100kHz)に追従できていないことを発見、パワーボード到着

1/14 試運転中にスナバコンデンサの足が溶け落ちる、IGBT故障(放熱板の表面融解)
のちの調査により、ブートストラップダイオード保護用の抵抗の値が大きく、ゲート充電に時間がかかり、IGBTの発熱増大、IGBT破壊、アーム短絡、ヒューズ溶断と連鎖破壊が起こったことが判明
硝酸で煮込んで故障したIGBTの内部を観察





1/15 新型ゲートドライブトランス製作






1/28 20〜30m離れてラジオに演奏ノイズが入ることを確認、スライダック一次側電流測定、CT入力部絶縁破壊

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2/4 インピーダンス変換トランス製作

2/11 CTフィードバック回路完成




